Iyoの風 特派員報告
 「のん兵衛」の主張             山内 茂樹
もどる


「のん兵衛」の主張  Vol.1

 −私と日本酒との出会いは最悪でした−

 はじめまして。宮城県石巻市の山内と申します。
私は現在は日本酒党ですが、初めからそうだった訳ではありません。

 私と日本酒との出会いは最悪でした。それは大学入学まで遡りますが、新入生歓迎コンパで、初めて日本酒を冷で(コップ酒)5〜6杯飲まされました。結果はご想像の通りです。立つこともできなくなり、壁にもたれたまま、皆の見てる前で、日舞に出てくる大杯で3つ程吐きました。急性アルコール中毒にならないだけラッキーでした。

 そんな訳でそれ以来日本酒は、社会人になるまで飲みませんでした。社会人になり、実家(石巻)に戻ってウイスキーで晩酌をするようになったのですが、石巻は港町ですので、生きのいい魚や、刺身が酒の肴になることが多く、どうしてもウイスキーでは合わないのです。そこで美味い日本酒はないかとあちこち探したら、「日本名門酒会」の酒屋さんを見つけて購入しました。確か黒ラベルの純米酒「酒一筋?」だったような気がします。その時の酒の肴が、鯨の刺身でした。私には最高のマッチングだったような気がします。その当時は、捕鯨が今ほどうるさくない時代でしたし、石巻は、捕鯨基地の鮎川に近いため、鯨の刺身は結構食べれました。それ以来私は「梅錦」のファンです。宮城県も米どころ、酒どころですので、梅錦に負けないくらいいい酒があります。ご当地石巻では、「日高見」(ひたかみ)・「弁慶岬」等が有名ですし、今私が好んで飲んでいるのは、山形県飽海郡の「東北泉」と宮城県一追町の「綿屋」です。

 酒飲みとしてはまだまだ修行の身で、これからいろいろな酒と出会う機会があると思いますが、私にとって、「梅錦」と言う酒は、まさに基本酒であります。毎日飲んでいる訳ではないですが、何種類か飲んだ後にまた梅錦を飲んで味を確認してみたくなるのです。

 話は変わりますが 先日仙台で、宮城県産の酒の発表会があり、出席して来ました。今年の特徴としては、酒造好適米の「蔵の華」を使った酒が随分と出品されておりました。「蔵の華」を使った蔵が多いのはそれはそれで結構ですが、今一蔵の独自性が出し切れていないような気がしました。各蔵元に見られる「山田錦」を使った大吟醸酒は確かに素晴らしいかもしれませんが、私はむしろ「松山三井」を使った純米吟醸や特別純米酒クラスの酒に注目したいと思っております。素人が生意気な事を言って申し訳ありません。晩酌で飲んで飲み飽きしない酒。「大トロ」よりも「中トロ」の合う酒が私は一番好きです。

 実は今日の原稿も晩酌の後なので、話がくどくなって申し訳ありません。最後に「のん兵衛」の主張を言わせていただけば、ビールやワインでお酒を覚えた人でも、瀬戸内海や高知沖で取れた海の幸がテーブルに出たとき、迷わず日本酒を選ぶ「のん兵衛」になって欲しい(できればこの時梅錦を選べば最高)と思うのです。でもそれってかっこいいですよね。普段はビールしか飲まない人間が、酒の肴を見た瞬間に日本酒を持って来る。何か絵になりませんか?それにつけてもこれら若い人達に酒の飲み方を教えるのは、やはり蔵元さんの仕事だと私は思いますよ。

 いい酒を提供するだけでなく、日本酒と言う日本人が作り出した文化を後世の人達にきちんと伝えていくのが、これからの蔵元さんの大きな仕事だと私は思っております。




『Iyoの風マガジン』は愛媛”伊予”の梅錦より発信しています。
Copyright (C)2000 いよの風マガジン All Rights Reserved.