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Vol.2 あくなき新幹線バトル!!
私はこう見えても気が小さい。 ブティックで、にこやかなお姉さんに「何かお探しですか?」と近寄ってこられると「い、いえ、別に・・・」と足早に逃げるように店を出る。美容院で、最後に合わせ鏡で「いかがですか?」って言われると、泣きたいぐらいに気に入らなくても「いいですぅ〜」と悲しく笑う。居酒屋で「へぃ!お待ちどう〜」って頼んでないメニューが来ても「ああ〜ありがとう〜」って受取けってしまう。
そんな私が、仕事柄よく新幹線に乗る。その“戦い”はそこで起こったのである。
その日は、あいにく混んでいて三人席の真ん中に座った。その両脇には40代後半から50代半ばのサラリーマン。二人ともいかにも忙しそうな、いかにも疲れたような雰囲気を漂わせ、いかにも横柄そうな態度であった。
案の定上着を脱ぎ席に座るやいなや、おもむろに肘をドカッと張って、左隣りは日経新聞、右隣りはアエラを読み出したのだ。
分かりますぅ〜?両名とも両肘をドカッですよ。 3人席の肘掛けは4つ。真ん中の私はムンクの「叫び」状態。情けない顔に肩をすぼめていた・・・。が、ムクムクムンクと心の底から怒りが込み上げてきたのである。
“な、何でぇ〜私の肘を置く場所がないわけぇ〜!!右のヤツには右側に、左のヤ ツには左側に置くとこあるでしょうが〜、少なくとも、私には両脇の半分の権利はあるわけでしょうがぁ〜。”
私はついに意を決し、日系野郎が新聞をめくるその瞬間、右肘を置いた。チラッと横目で見る日経野郎。右肘を死守しつつ、今度はアエラ野郎の動きに集中する。と、前の缶コーヒーを取った!その隙に左肘を置く。
ハーッハーッハーッ・・・・。
しかし、敵もさる者、微妙な動きで陣地を挽回しにかかる。日経もアエラも読むど ころじゃない。お互い一瞬でも気をぬくとアウトである。
3時間余りの激しい攻防の中、私は本を読むことも、コーヒーを飲むことも、トイレに立つこともなく新大阪に降り立った。目は充血し、肩はバリバリ、息は乱れ。ドッと疲れエスカレーターに乗った。
後ろからこづかれる。「ねーちゃん!左側を開けんかい!それがマナーちゅうもんやろ!」
ハーッ。東京のエスカレーターでは右空けなのよね。 新幹線で、エスカレーターで、ブティックで、美容院で、戦いは続くのであった。
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