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〜伝統芸能 講談の世界〜
酒蔵公演レポート
9月30日、第29回梅錦酒蔵公演が行なわれました。蔵の中に入ったことのなかった私は、初めての世界に足を踏み入れた興奮でドキドキしっぱなし。黒光りする柱に歴史の重みや日本の文化を感じ、準備するだけで浮き足立ってしまいました。
今回の演目は講談協会会長 宝井馬琴師匠の講談「山内一豊の妻 出世の馬揃い」です。講談は500年の歴史を持ち、落語と並ぶ日本を代表する話芸といえます。落語が台詞を中心とした演ずる話芸であるのに対し、講談は説明の入る、伝える話芸です。
歴史のある蔵に出来上がった舞台は、歴史のある講談には最高の舞台です。
シンとした空間の中、さすがは講談界の重鎮、張扇(はりおうぎ)で机(釈台)を叩いて調子をとりながら、独自の語り口調でいとも簡単に観客の心を笑いの渦に引き込みます。
お話は、お金のない山内一豊が目をつけた素晴らしい馬を、妻千代のへそくりで購入し、まわりの武士達をあっと言わせて評判を上げた、というものです。山内一豊は、現在放送中の大河ドラマでお馴染みですが、初めて聞く講談、なにやら難しそうな話なのかなと思いきや、親近感を持って楽しむことが出来ました。

馬琴師匠は、一豊、千代、馬売り、信長、その部下・・・と、一人何役も表現しなくてはいけません。後で師匠とお話をさせて頂く機会があったのですが、その時にこんなことをおっしゃっていました。
「女の人の声をまねしすぎちゃ面白くなくなっちゃうの・・・。」なるほど、講談とはただ言葉を話すだけで人の気持ちをつかまなくてはいけないのですから、実はとても繊細で奥が深く、難しいものなのです。
講談の後、お客様と枡で乾杯し、一枚一枚に言葉を入れて下さった師匠の色紙が抽選でプレゼントされました。大きなホールとは違う、演者や舞台との近さ。あぁ、これが蔵公演の醍醐味なんだなぁ・・・と、自分がお客様になったような感覚で楽しみました。
公演終了後、立ち上がるお客様の「面白かった〜。」という声に脇でうなずきながら、座布団をそろえ、日本文化に触れた満足感に浸りました。これからは、こういった素晴らしい自国の文化にもっと目を向けたいと思います。
酒蔵公演の顔も持つ蔵は、今からお酒造りの舞台へと顔を引き締めます。 今年も公演同様、美味しくて味のあるお酒が出来ますように・・・。
梅錦山川株式会社 山川寿美子 大野明子
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